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わが国の鋼橋の設計法として長らく用いられてきたのが,許容応力度設計法である.許容応力度設計法では,原則的に,各種荷重によって鋼橋各部材に作用する垂直応力度の合計σやせん断応力度の合計τが,表1に対応する許容応力度許容応力σaおよびτa以下になるように,構造物を構成する設計法で,
σ≦σa (式1)
τ≦τa
の関係が満足されるように設計する.許容応力度σaは,普通材料の降伏点応力度σyを適当な安全率γで割って,次のように決められる
σa=σy/γ (式2)
τa=τy/(γ√3)
コンクリートのように降伏点が明碓でない材料では,破壊強さσBを基準にとり,これを安全率で割って許容応力が決めるが,この場合安全率は,一般に降伏点を基準にした場合より大きくとられなければならない.安全率はまた直接的には,材料強度のばらつき,降伏後の材料の延性などを考慮して決められる.許容応力度設計法は,構造物の弾性理論に従い,材料の弾性限度内で間題を取り扱っているので,弾性設計法ともよばれることがあるが,安全率の決め方に,材料の延性的性質はいくらか考慮されており,塑性的性質がまったく無視されているわけではない.安全率はまた,設計計算をlつのシステムとして考えるならば,荷重の性質・構造解析の精度・構造物の重要性なども考慮に入れて決定されていると考えるべきである.したがって,構造解析の精度の向上,材料の信頼性の向上,実際の構造物における経験の積重ねなどとともに,同一レベルの材料であっても許容応力度は,時代とともに変わっている.(式2)は,引張材についての許容応力の決め方であるが,圧縮材に対しては,座屈応力度σcyがσyの代りの基準となる.この場合部材の細長比により塑性座屈が対象とされる.
表1 鋼材の許容応力度
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許容応力度の
総称記号
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作用力の
区分
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公式の詳細
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安全率γの値
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σa
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引張
(曲げ引張)
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σta=σy/γ
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γ=1.68〜1.77
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圧縮
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σta=σcy/γ
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曲げ圧縮
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σta=σby/γ
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τa
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せん断
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τa=σy/(γ√3)
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注) σy:降伏点,σcy:柱の座屈強度
σby:梁の横倒れ座屈強度
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許容応力度は,まれにしか作用しないような荷重や,まれにしか起こり得ないような荷重の組合せに対して,割増し係数を用いて割り増すのが普通である.この点からは,許容応力度法においても荷重の作用の確立論的性質はある程度考慮されていると考えらるが,常時作用すると考えられる死荷重と活荷重の差異は考慮ざれないのが普通であり,荷重係数設計法と荷重に対する考え方がかなり異なっていることがわかる.
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